社交不安障害(SAD)
社交不安障害とはどんな病気?
社交不安障害(SAD)とは、人前に立って話す、会って話すなどに強い不安を感じる病気のことを言います。 恥ずかしがり、緊張しいなど、性格の問題と混同される場合がありますが、その不安はやがて強い苦痛へと変わり、日常生活においても次第に人を避けるようになってしまいます。
生涯有病率(一生のうち一度は病気にかかる人の割合)は約3~13%であり、ポピュラーな病と言えます。
社交不安症(社交恐怖)/社交不安障害には、うつ病やアルコール依存症が併発しやすいと言われます。
社交不安症(社交恐怖)/社交不安障害の病因(原因)は、まだ明らかになってはいません。生物学的な要因と心理社会的な要因が想定されています。
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社交不安障害の主な症状
社交不安障害では、人から注目を浴びる行動への不安や、他人から悪い評価を受けることにより、動悸、発汗、吐き気、震えなどの症状が現れます。
主な症状は、人前で何か行動をする時や、人から見られること(社交場面)に対して極度の不安や恐怖心を感じ、そういった場面を回避しがちになるというものです。不安、恐怖心に加えて、緊張、動悸、発汗、吐き気、震えなどのからだの不調(身体症状)が生じることもあります。不安や恐怖心などの症状が、人前で話したりする場面(結婚式のスピーチや朝礼での一言など)に限定されている場合は、パフォーマンス限局型というタイプに分類されることもあります。
社交不安症(社交恐怖)/社交不安障害は、かつては、社会恐怖(social phobia)、対人恐怖、赤面恐怖などと言われていました。
* 訳語の関係で社会不安障害と呼ばれていた時代がありました。これは社交不安症(社交恐怖)/社交不安障害とほぼ同義です。
心当たりがある、またはすでに社交不安障害でお悩みでしたら、足立区の心療内科「綾瀬メンタルクリニック」を受診されることをおすすめします。
足立区の綾瀬メンタルクリニックでの社交不安障害の治療方法
お薬を使った治療を中心に、認知行動療法などの精神療法や心理療法を併用することがあります。
お薬を使った治療においては、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というこころのバランスを整える薬を使用します。日本では、フルボキサミン、パロキセチン、エスシタロプラム(それぞれ一般名)が適応となっています。SSRIは少ない量から開始し、効果が期待できる量まで徐々に増量していく流れが一般的です。効果が期待できる量に到達してから、充分な効果を感じられるまでには数週間時間を要します。社交不安症(社交不安)/社交不安障害における再発予防のためには、症状が落ち着いたあと1年間ほどは服用を継続した方がよいと言われています。焦らずに治療を続けていきましょう。
なお、パフォーマンス限局型であり、そもそも人前で話す機会が少なく、その場さえしのげれば生活に支障のないタイプであれば、その場限りの抗不安薬の使用をすすめる場合もあります。
お薬を使った治療に加えて、精神療法/心理療法(認知行動療法など)を実施することもあります。社交不安症(社交不安)/社交不安障害における認知行動療法では、主に考え方のクセや回避しがちな行動に焦点をあてて、生活の支障を減らしていけるようにします。
* なお、精神療法/心理療法には、お薬と同様、作用もあれば副作用もあります。うつ病を併発している場合、状態が悪化することもあると言われています。導入にあたっては、主治医とよくご相談ください。
社交不安障害で足立区の綾瀬メンタルクリニックにご来院いただいた後の注意点
- 症状に対する不安がしっかりと無くなるまで薬を続けることが大切です。
- 社交不安障害の症状は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら快方に向かいますので、 一喜一憂しないようにしてください。
- 薬をしっかりと飲んで症状を抑え、ストレスとしっかり向き合うことが重要です。