【精神科医が回答】うつ病とはどんな病気ですか?【FAQ】
Q:うつ病とはどんな病気ですか?
A:JR常磐線/東京メトロ千代田線綾瀬駅徒歩1分の心療内科「綾瀬メンタルクリニック」です。ご質問に回答します。
うつ病は心の病気
ひと昔前と比較すると『うつ病』という名称は随分認知されてきている印象があります。ところが『実際にどういった病気か』という知識や理解で言うと、まだまだ誤解があるように感じます。
まず、うつ病は「心の病気」の一つです。心の病気であるため、見た目で判断することが非常に困難な病です。結果として、周囲から『怠けている』と誤解を受けてしまったり、休養をさぼっていると取られてしまったり、といったことが起きがちな傾向にあります。
うつ病は身近な病気
実は、うつ病は“日本人の15人に1人”が“一生の内で一度は経験する”という精神疾患です。例えば30人のクラスであれば、クラスの中で2人は生涯でうつ病を経験するという計算になります。“知り合い”ないし“知り合いの知り合い”ほどの関係性のなかうつ病は出現しうるということです。
うつ病は非常に身近な病気だということがご理解いただけるのではないかと思います。
うつ病の原因
うつ病を引き起こす原因は人によって様々です(様々なモデルが提唱されています)が、ストレスが関与していることは多くのモデルに共通します。中でも、仕事でのストレスからうつ病になるケースが近年は多く見られます。
仕事を一端離れて休養し、十分な治療が行われないまま仕事に復帰し、再びうつ病を発症してしまう方もたくさんいるようです。また、現代の食生活の変化に伴い、栄養素がバランスよく摂取できず、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンと呼ばれる脳の神経伝達物質が正常に働かなくなるためとも言われています。
うつ病の代表的な症状
うつ病になると、身体面では「倦怠感」「ひどい肩こりや頭痛」などが症状として現れます。精神面では「何もやる気が起こらない」「朝起きることができない」「家事や仕事の意欲が湧かない」などの症状が現れます。いずれにしても日常生活に支障をきたし、放っておけば深刻です。一度なってしまうと、治すのが難しい病気という認識を持つ必要もあるでしょう。
医学的には、脳の神経物質の伝達に問題が生じ、身体や精神に異変をもたらす病気とされています。そのため神経物質の伝達を正常に戻す薬(抗うつ薬)で治療を行いますが、残念ながらうつ病自体の根本的な治療法というわけではなく、根本的な治療法そのものは見つかっていません。時間をかけて、薬でうつ病の症状を和らげていくのが、最も効果的な治療法になります。
【関連項目】
【精神科医監修】抗うつ薬を解説【目的効果・種類・副作用とは?】