【精神科医監修】適応障害とは?
患者様よりお問い合わせをいただくことの多い適応障害について、うつ病、うつ状態との違いを交えて説明いたします。
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適応障害とは
端的に言えばストレスに対するこころとからだの反応です。
ストレスを感じると、『気分が落ち込む』、『眠れない』、『食べられない』、頭痛や腹痛、動悸がするなど、様々な反応が生じます。そういった様々な反応が適応障害の症状だと言えます。休日は調子が落ち着いたり、回復したりするため『適応障害は甘えではないか』と言われてしまうこともありますが、そもそもがストレスに対する生体の正常な反応であることから、ストレスがない環境下においては当然反応は軽くなるか、生じなくなるのが通常です。未治療のまま経過することでうつ病に移行するという指摘もあるため、適切な対処、治療が必要となります。
適応障害の治療法
適応障害はストレスが原因となっているため、ストレスを減らすことが治療となります。具体的には、ストレスとなっている事柄や環境から距離を置く(お仕事をされている方ですと休職や転職を検討する場合があります)、ストレスに感じる捉え方、考え方を柔軟にする、といった方法があげられます。
適応障害とうつ病の違い
症状に着目すると適応障害とうつ病はよく似ていますが、極端に言えば、適応障害とうつ病は、ストレスを減らすだけでは症状が無くなりづらい点で異なります(反応性うつ病という考え方がありますが、これは適応障害に近しい疾患だと理解すると整理しやすいかもしれません)。また、うつ病は、お薬に反応しやすいことがよく知られています。
適応障害、うつ病とうつ状態の違い
適応障害、うつ病は疾患概念であるのに対し、うつ状態はあくまで状態を指します。嫌なことがあって落ち込んでいるうつ状態から、うつ病などの症状としてのうつ状態まで広くうつ状態と表現します。
*精神科では歴史的に抑うつ状態という表現が使われていますが、これはうつ状態と同義だと考えて差し支えのないものです。
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